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第36回東京国際映画祭『ポトフ 美食家と料理人』のQ&Aにブノワ・マジメル登壇






料理への情熱で強く結ばれた美食家と料理人の愛と人生を味わうフランス映画『ポトフ 美食家と料理人』が第36回東京国際映画祭(2023)で上映され、10月24日(火)に開催されたQ&Aに、『ピアニスト』(01)でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞した主演のブノワ・マジメル、『青いパパイヤの香り』(93)のトラン・アン・ユン監督、さらに監督夫人であり本作でアートディレクションと衣装を担当したトラン・ヌー・イェン・ケーが登壇しました。

映画『ポトフ 美食家と料理人』本編上映後、会場から大きな拍手が鳴り響く中、ブノワ・マジメル、続いてトラン・アン・ユン監督、トラン・ヌー・イェン・ケーが登場。 まずは、トラン・アン・ユン監督から「皆さん来てくださってありがとうございます。ここの映画館の上映環境は本当にすばらしいですからね。皆さんはここで観られてラッキーですよ」とご挨拶。続いて、主演のブノワ・マジメルが「日本にはだいぶ来てなかったのですが、今回、この作品を皆さんに紹介をしに来れて、ものすごく嬉しく思います!われわれも楽しんでつくった映画なので、気に入ってくださったらいいなと思っています」。そして、トラン・ヌー・イェン・ケーも「わたしたちが以前来たのは(2017年の)『エタニティ 永遠の花たちへ』の時。その時もわたしは衣装とアートディレクションを担当しました。(劇中の19世紀末フランスという)時代は同じなんですが、今回はまったく違ったやり方だったんです。皆さんに気に入っていただけたら嬉しいです」とそれぞれが挨拶をした。

前日23日に行われたオープニングセレモニーのレッドカーペットについて聞かれると、トラン監督は「観客との距離もすごく近くて、とてもすばらしかったです」と振り返り、ブノワも「本当に近い距離で歓迎してくれ、交流することができたというのは本当にすばらしいと思います。しかもレッドカーペットがとても長かったんで、とても楽しかったです」とコメント。そしてトラン・ヌー・イェン・ケーも「昨日もみんなで話し合っていたんですが、わたしのキャリアの中でももっともすばらしいレッドカーペット。ラグジュアリーな感じがしましたね」と感想を述べた。

続いて、料理を題材にした映画を作ろうと思った理由について聞かれると、トラン監督は「実は原作(“La Vie et la passion de Dodin-Bouffant gourmet ”)に出会ったのが最初でした。登場人物が食べ物、料理について語るシーンがすばらしかったんで、それを映画にできないかなと思ったのがきっかけだったんですが、そんな中で、原作を離れて僕自身が入れたかったのが、長く続いているカップルの関係。うまくいっている夫婦関係を描くのって難しいんですよ。それはちょっとした挑戦でした」と振り返った。

 

そしてブノワは、“食”を追求し、芸術にまで高めた美食家のドダンを演じるにあたり「僕は実生活でも料理を作るのが好きなんです。好きな女性であったり、友人たちなど、愛する人のために料理をつくるというのは、一種の愛の告白だと思います。とはいえ、僕自身はドダンのようなアーティストではないですが、料理をする動作に心をこめようと思いました。そうすると直感的に、とても自然な形でシーンを演じることができたんです。しかもまわりを囲むのは、本当に才能あふれるスタッフばかりだったので、自分としては意外にシンプルに演じることができました」と振り返った。

そして、ブノワのファンであるという女性の観客から「昨日、銀座の街を歩いている様子を、Instagramにあげていましたが、どこかに行かれたんですか?」という質問に対しては、「僕は日本の洗練された料理に惚れ込んでいるんですよ。実は何年も前に、映画の撮影のために3カ月ほど日本に滞在したことがあったんです。その時に、日本にはミシュランの星付きレストランがたくさんあるということを知り、たっぷりと堪能させていただきました。そしてInstagramで見ていただいた写真では、ここでも、あそこでも食べてみたいというグルメな気持ちを象徴した写真だと思います」と説明した。

 

そして「もう少し告白していいですか?」と付け加えたブノワは、「実はこの役のオファーをいただいた時に、監督にある提案をしたんです。グルメで、美食家という人物を演じる場合、俳優は頑丈で、かっぷくのいい体形であることを要求されがちだけど、時にはほっそりとした料理家がいてもいいんじゃないかとね。実際、この撮影に入る前は自分はもうちょっとほっそりしていたんですよ。でもこの映画の準備のために、妻や友人たちのために料理をつくっていくうちに、体重が10キロ増えて太ってしまい、僕の提案は“有言不実行”になってしまいました。(衣装を担当した)トラン・ヌー・イェン・ケーさんが準備してくれた衣装を何度も作り直すことになってしまい、本当に申し訳ななかったと思います」と語り、会場を沸かせた。

『ポトフ 美食家と料理人』は、2023年12月15日金曜日より、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国順次公開です。

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